実は、僕は小学校の先生です。
きちんと先生になって5年目です。
おかげさまで、楽しい日々を送っています。
でも、いつの日からか、先生以外の別の仕事をしてみたいと思うようになりました。
そして、コーヒー屋をやりたいと思ったのです。
すぐにコーヒー屋ができるように、
先生の仕事を続けながら、少しずつ準備をしていました。
空いた自分の時間は、いつもコーヒーのこと、お店のことを考えていました。
でも、少し迷いがありました。
小学校の先生は好きな仕事です。
嫌になってやめるわけではありません。
夢を追いかけるワクワクと、
好きな仕事から離れる寂しさで、
最近、揺れていました。
僕は、小学6年生の担任で、
子供達はあと、29日で卒業します。
よく言っていました。
「残りの29日間、後悔しないようにね」
ことあるごとに言っていました。
でも、その言葉が、自分自身にも向けられるべき言葉だったとは
今まで気付くことができませんでした。
そして、今日、夢を見ました。
どんな夢だったかは覚えていません。
でも、きっと学校の夢だったはずです。
どんな内容だったかは、重要ではありません。
目覚めてすぐに思ったんです。気づいたんです。
「今まで、自分は何をしていたんだろう・・・
なんてことをしてきたんだろう・・・」
教員を退職する自分にとって、目の前にいる子どもたちが最後になるわけです。
そして、自分にとって最初で最後の卒業生になるわけです。
何年も一緒に過ごしてきた子供たち、
自分の好きな仕事、
それをないがしろにしていたと思ってしまったんです。
今まで、仕事に対して手を抜いていたわけではありません。
子供たちに全力で向き合ってきました。
仕事以外の空いた時間に、自分のことを考えていたんです。
でも、それでも僕は「ないがしろにしてしまった」と思ってしまったんです。
先生という仕事に、終わりはありません。
いろいろなことどんどん突き詰めていくと終わりはありません。
そんな仕事です。
授業研究だったり、教材準備だったり、やるべきことは無限にあります。
そして、卒業生にしてあげたいことは山ほどあるわけです。
伝えたい事もたくさんあります。
それらのことを、すべてやってきたのかと言われると、素直にうなずけませんでした。
今まで、自分の空いた時間にコーヒーのこと、お店のことを考えていました。
でも、その時間ももっと子どもたちのために使えたんじゃないかと
思ってしまうんです。
「卒業まで、残り○日だよ。後悔のないようにね。」
その言葉は、自分にも向けられていたんです。
ここで気づけてよかった。
きっと、このまま卒業させてたら、悔いが残ったと思います。
全力で、120%向き合っていなかったって・・・
ということで、子どもたちを卒業させるまで、
コーヒーのこと、お店のことを考えるのはやめにします!
きっと、オープン時期も伸びてしまうかもしれません。
でも、それでも今は、子どもたちに向き合いたい。
それが素直な気持ちです。
自分の時間も全て注ぎ込みます。
たったの1ヶ月ぐらいです。
自分にとっての最初で最後の卒業生。
子どもたちにとっても、もちろん最初で最後の小学校卒業。
そのための1ヶ月ぐらい、自分の全ての時間を
子どもたちに使いたい。
それを、今日の朝、ふと思いました。
今まで、もやもや悩んでいたことがすっ飛びました。
あ、これでいいんだな
そう素直に思えました。
というわけで、ちょっとだけお休みします。